論文hack2020-僕流論文の扱い方-
どうも,Marieです.
ちょっとラボの方で知識の資産化をしていきたいなと考えたので投稿を.
今回は僕がやっている論文の探し方,読み方,まとめ方(ver.2020なので,来年また変わるかも)についてまとめたいとおもいます.
論文の探し方
まず,論文の探し方です.
論文の探し方は,主に2ステップ."あたりをつける"と"芋づる式に掘る"です.
まずはあたりをつける工程.
自分のやりたいこと,やっていることに対して,似ている,かつ質のいい論文をいくつも探すのは,大変骨が折れます.
なので最初にあたりをつけましょう.
あたりをつける,というのは,ひとつ,自分の分野に似た質の良い論文を探し出す,ということです.
そんな時参考になるのが,トップカンファ(僕の分野だと,CHI, UIST, SIGGRAPH, AHなど......)やIEEE Transaction等のつよつよジャーナルの論文です.
また,被引用件数が多いということはその分野の多くで参考にされているということの証拠です.
そのような質の良い文献に簡単にあたりをつけられるツールがあります.
Microsoft Academicです.
Microsoft Academicが,探すという点で優れているところは,
- 論文の被引用数でソートできる
- publishされた学会,ジャーナルで検索ができる
- relatedのような項目があり,にている論文をみつけやすい.
の3点です.
(探す,という点には関係ないですが,ブックマークをしてbibtexに一括exportできます.ベンリ!)
完全に僕たちが最初にやりたいことと一致していますね.
ということで,まずこのツールを使ってあたりをつけていきます.
その後は,芋づる式に掘る工程に移っていきます.
まず,先ほどのあたりをつけた論文の引用文献をチェックして,そこから関係するような論文をどんどん読んでいきましょう.これが芋づる式に掘る仕組みのひとつです.
しかしながら,この芋づる式もすぐに息切れてしまうことが往々にしてあります.
さて,どうしましょうか.
そんな時は,Microsoft Academicのrelatedの項目にある論文に手を伸ばしてみましょう.この項目は,引用,被引用の関係にないかもしれないけれど,workとしては似ているよというものが項目に入っています.
しかしながら,これも息切れする可能性があります(ここまでだいぶ論文を漁れていると思いますが).
ここで,最終兵器,connected papersを使います.
connected papersでは,論文の名称を入力すると,関係する論文が,距離が分野の近さ,円の大きさが被引用件数,色の濃さが出版年を表すグラフとして表示されます.ちょーべんり.
このようなツールを使って掘っていくと結構効率的に論文を掘ることができます.
さて,ここまでをまとめていきましょう.
論文を探す時は,まず
Microsoft Academicを用いて質の良い学会,ジャーナルから質の良い論文を探してあたりをつける.
そこから,
1. 引用文献
2. Microsoft Academic
3. connected papers
を用いて論文を掘りまくる.
とすればうまくいく場合が多いです.
論文の読み方
個人的には,abstract -> introduction -> conclusion -> discussion -> user study -> propose section -> related worksの順です.
人によって重視する場所が変わるので,皆さんの好きなパターンを見つけてもらえればと思います.図をパラ見してからこれをやると僕は効率がいいのでこれです.
論文のまとめ方,管理の仕方
論文をまとめる,ということは主に2つの役割があると考えています.
まず,"2回目時間を置いて読んだ時に,読みやすくするため"です.
内容がある程度わかっている文章を読むことは,相当楽です.あとある程度まとまっていたらむしろ読まなくてもまとめを読むだけで済みます.楽ちん.
もう一つは,"論文を書くため"です.
論文を読んでいる方は当然知っていると思いますが,論文は他人との差分を示す必要があります.
そのためには,既存研究をまとめる必要があります.
しかし,人間の脳は割とメモリ寄りです.揮発します.(僕の脳みそはメモリのように揮発するくせに速度がHDDなので困っています,助けて)
そのため,なんらかの形で情報を分野ごとにまとめておく必要があります.
さて,ではどうやってまとめるとよいのでしょうか.
僕の場合,利用しているツールは
・google slide
・growi
・MindNode
の3つです.
では,それぞれの役割を説明していきましょう.
google slideでは,論文を筑波大学准教授の落合先生フォーマットにまとめます.
このフォーマット個人的に最高です.これを作ることで,最初の2回目時間を置いて読んだ時に,読みやすくするという役割は十二分に達成できます.
次にgrowiです.
growiとは,自作wikiの一種で,自分でページを作成しながら情報をまとめていくことができます.
このgrowiは,いわばデータベースの役割を果たします.
growiでは,各論文に対して固有のページを作成し,内容をちょこっと書いた上でタグ付けをします.このgrowiのいいところは,
・ページに対して自由に何個でもタグ付けができる
・タグで検索ができる
という2点です.タグをつけて整理し,タグ検索で論文を一括で引っ張ってくることで,その分野のいままで読んだ論文を漏れなく引用の候補に入れることが可能です.
最後に,MindNode.
これは論文を書く際に,自分の知識を整理するために使います.
MindNodeはマインドマップを自由に形成することができるものです.これを使って細かい分野ごとにツリー状に論文をまとめていきます.
そうすることで,脳内が整理されて,スムーズにたりない情報を見つけることが可能です.
まとめると,
google slideで落合先生フォーマットを作成 -> growiでタグ付けをして論文を保存 -> 必要になったらタグづけ検索して論文を引っ張り出し,MindNodeで整理
このような形で論文の管理をしています.
最後に
さて,ざっくりと僕が論文に関してやっていることをまとめましたが,いかがだったでしょうか.
使える部分だけ参考にしてもらえれば幸いです.